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VERMONT CASTINGS HISTORY

バーモントキャスティングスの
歴史と技術

傑出した才能が作り上げたマスターピース
それがバーモントキャスティングス

傑出した才能が作り上げたマスターピースそれがバーモントキャスティングス

バーモントキャスティングスは、後に天才と称される2人の若者によって、アメリカ北東部の自然豊かで風光明媚なバーモント州で産声を上げました。創業以来、環境性能とデザイン、機能性にこだわり続け、現在でもバーモントキャスティングスの薪ストーブは憧れの存在となっています。

消えかけた"室内の炎"を
取り戻した2 人の若者

世の中は安定した石油市場にあぐらをかいて、石油製品や化石燃料が世界を闊歩していました。だれも石油がなくなるとか高騰するなど想像もしていなかった1970年。日本では日本万国博覧会が「人類の未来と調和」をテーマに開かれ、「自動」と「ファストフード」と「缶コーヒー」を日本に根付かせました。

薪に火を付けて台所仕事をしたり、囲炉裏で暖を取ったりという「時間はかかるが実は理にかなっていた昔」に戻ろうとは誰も考えず、時代遅れとさげすむ者さえいました。そして、急激にエスカレートする科学の利便性の前に、日本の炎を操る文化はあっけなく途絶えてしまいました。一足早く現代科学を享受していたアメリカではしかし、日本で18世紀半ばに発明された通称フランクリンストーブと呼ばれる薪ストーブがしぶとく生き残っていました。しかし20世紀後半の時代にあっては恐ろしくローテクなこの暖房器具は、セントラルヒーティング等に取って代わられつつありました。

ところが、19731016 日。OPEC加盟のペルシア湾岸産油6か国が原油公示価格の21%引き上げを断行し、12月には翌年1 月より原油価格を2倍に引き上げることを決定しました。

その頃暖炉よりは良いが煤煙をまき散らす薪ストーブという代物をどうにかしたい、と高邁な精神をもつ2人の若者ダンカン・サイムとマーリー・ハウエルがバーモント州で会社を起こしました。それが今では伝説にまでなったバーモントキャスティングス社Vermont Castings (以下VC 社) です。この夢と勇気と実行力のある若者たちがアメリカ伝統のフランクリンストーブを厳しい環境規制の現代に蘇らせ、皮肉にも石油が薪を救う結果となったわけです。

写真前=豊かな想像力を駆使して完璧を目指す創業者の一人ダンカン・サイムと初期型デファイアント

写真後=実務的でビジネス感覚に優れたマーリーハウエルによって、驚異的に販売を伸ばしたデファイアント

世界の薪ストーブの名機アンコールの誕生

VC社のマスターピース“アンコール”誕生までの歴史を振り返ってみましょう。同社は、1988年、アイデンティティたるデファイアントの生産終了を発表しました。1975~1988年までの14年間という長きにわたって生産された名機デファイアントでしたが、その後に制定された排気ガス規制の基準を満たすことができずに、多くの人に惜しまれつつ引退。そして、デファイアントの引退と時期をオーバーラップしながら1986年に薪ストーブ界のゲームチェンジャーとなる、厳しい排気ガス規制を楽々クリアする触媒を搭載した新機種がデビューしました。それがデファイアント・アンコールでした。

当時、アメリカ国内には500 もの薪ストーブメーカーがありましたが、この排気ガス規制がクリアできないため、その数は10分の1にまで絞られたのでした。1998年、デファイアント・アンコールよりさらに大柄なフラッグシップモデルであるデファイアントをリリースするにあたり、デファイアント・アンコールの頭のデファイアントを外すことになり、現在のアンコールという名が定着することになりました。

その後もアンコールを筆頭にVC社の薪ストーブは進化を続けました。VC社の最大モデル、デファイアントとアンコールにはフレックスバーンという触媒にプラスしてクリーンバーンでとことん排気を浄化する装置が搭載されました。2020年5 月、アメリカでは排気ガス規制がさらに強められ、1 時間あたりの煙を2g以下にしなければならなくなりました。しかし、現在のバーモントキャスティングスのすべてのラインナップはその規制を楽々とクリアしています。

写真前=VC 社だけでなく数々の薪ストーブデザインを手がけたヴァンス・スミス。彼女のデザインは暖房器具に命を吹き込んだ。

写真後=バーモント州ランドルフにあるパーモントキャスティングス。誇り高い人々が手と心で薪ストーブを作り上げています。